【インクルーシブ教育最前線】幼保?中学と連携 特別支援の推進地域に

積極受け入れ

 横浜市立飯島小学校の尾上伸一校長(60)は、町を歩いていると、中高生からよく声を掛けられる。尾上校長も「どう? 元気?」と気軽に、うれしそうに応じる。

【連載】インクルーシブ教育最前線

 記者が同行しているときも同じだ。「彼は期待の星です」「あの子の妹が今、うちの4年生にいます」と教えてくれる。飯島小の卒業生たちだ。

 校長に就任して7年。就任1年目の6年生はもう19歳。尾上校長は、飯島小に在籍している児童だけでなく、卒業生の顔と名前も全員覚えている。

 「子どもの育ちを保育所、幼稚園から中学校まで一貫させたいんです」と尾上校長は言う。

  ◇  ◇

 毎年度約30人と、最多の園児を飯島小に入学させている私立飯島幼稚園(園児数230人)は、飯島小から大人の足で徒歩7分の高台にある。

 JR東海道線沿いの起伏のある土地にアスレチックを配し、ヤギ、アヒルなどを飼育している。子どもの自然体験を大切にしているのが特徴だ。

 2020年に創立50周年を迎える飯島幼稚園には、ホームページには書かれていないもう一つの特徴がある。障害のある園児を積極的に受け入れているのだ。同園の三橋賢次園長(45)が言う。

 「障害がある子も健常児も関係なく、子どもは子どもたち同士の関わりの中で育ちます。それが日常生活としてできるのは、幼稚園の間だけです。仲間を広げ、地域と共に育つことが大事です」

 小学校段階になると、障害のある子の多くは健常児と分かれ、個別支援学級(特別支援学級)や特別支援学校に就学する。

 「障害のある子の親御さんは、幾つも幼稚園を回って受け入れてもらえずに、うちに来る方が多いです。地域の専門機関から紹介されたという方もいます」

 その結果、飯島幼稚園には障害のある子どもたちが集まってくるようになった。現在、知的障害児に交付される療育手帳を持っている子は10人、年少から年長まで全11クラスに、それぞれ2、3人ずつ、いわゆるグレーゾーンとみられる園児がいるという。

 多くの自治体の療育手帳の認定?交付基準は、知能指数(IQ)75以下が対象だが、横浜市では自閉症と診断された場合、IQが境界線級の76~91でも療育手帳が交付される。三橋園長が続けて言う。

 「健常児と障害児が一緒に生活することは、両方にとって育ちがあるんです。園の教員が障害児を援助している様子を見ながら、健常児は障害児の手を引いてくれたり、すごく上手に関わってくれます。いろんな子がいるということを、健常児に知ってもらいたい。その健常児が小学校に行って、障害のある子が交流で自分のクラスに来たときに、あの子はこういうところが苦手、だけど優しいよ、と一人でも発信してくれれば、周囲の子の触れ合い方も上手になります。そういう子たちを育てていくのが、飯島地区としての大きな思いです」

特集

コラム?連載

ページの先頭へ
時事通信の商品?サービス ラインナップ
亚洲欧美免费无码专区/国产亚洲综合欧美视频/迷人女教师/种子搜索神器