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【点描?永田町】「Go To」めぐる“菅?小池戦争”

2020年08月09日19時00分

記者会見する菅義偉官房長官=7月20日、首相官邸

記者会見する菅義偉官房長官=7月20日、首相官邸

  • 「Go To トラベル」キャンペーンから東京都が除外されたことについて記者団の取材に応じる小池百合子知事=7月16日、東京都庁

 政府がコロナ不況下での観光支援を狙った「Go Toトラベル」事業が、7月22日にスタートした。ただ、東京での新型コロナウイルス感染再拡大で、「全国一律」のはずの事業対象から「東京除外」を余儀なくされるなど出だしから混乱が際立ち、与野党双方から「時期尚早」との批判も噴き出した。事業開始前後の政府の迷走は、推進役の官房長官と慎重派の小池百合子東京都知事の「感情的対立が原因」(政府筋)ともされるだけに、コロナという国難に政府と自治体がワンチームで対応できない実態が、国民の政治不信を加速させている。

首相、帰省自粛呼び掛けず 「GoTo」継続―都知事と食い違い、混乱も


 今回の観光支援策を主軸とする「Go Toキャンペーン」計画は、4月30日に国会で成立した今年度第1次補正予算の経済対策の柱。ただ、総事業費が約1兆7000億円で、事業実施を民間委託したことによる受託事業者の“中抜き”疑惑などから、野党や一部メデイアに「強盗キャンペーン」「Go Toトラブル」と揶揄されたいわくつきの政策だ。

 今回の「Go Toトラベル」は、政府が国内旅行代金の50%相当を支援するもので、当面は事業開始以降に、旅行者の宿泊などを対象に、35%分の代金が割引となる仕組み。土壇場で東京発着での観光旅行を対象外としたため、経済効果はかなり減殺された。首相が「東京除外」を決めたのは、一律実施を強行して全国的なコロナ感染再拡大を招けば、政治責任につながるとの不安からだとされる。ただ、国民への一律10万円給付や検察官定年延長など、重要政策での方針転換が続いてきただけに、今回の二転三転のドタバタ劇が、首相の求心力低下を加速させるのは間違いない。

◇政治危機を象徴する“泥仕合”に

 今回、政府にとっての最大の誤算は東京での感染者急増。多くの国民はコロナ第2波と受け止め、SNS(インターネット交流サイト)上でも「#Go Toキャンペーンに反対します」とのツイッターデモが盛り上がった。このため、全国一律実施を目指す首相や菅氏は東京の生ぬるい対応に苛立ち、7月11日には菅氏が「(感染者急増は)圧倒的に東京問題」と、小池百合子都知事を痛烈に批判。しかし、すぐさま小池氏も「圧倒的に検査数が多いのが東京。これは国の仕切りの問題だ」と言い返したことで、「菅?小池戦争」(政府筋)の様相となった。菅氏の発言は7月5日の都知事選での圧勝以降、小池氏が感染拡大を“放置”していることへの政府の不満を代弁したものだが、小池氏は、前倒しでの「Go Toトラベル」開始について「よーく考えてほしい」と、嫌味たっぷりの言い回しで抵抗し、混乱を加速させた。

 小池氏は、政府が「東京除外」を決める直前の7月16日昼前に、同日公表する新規感染者数が過去最多の280人台に達することを自ら発信。このため、同日午後の参院予算委閉会中審査で野党側が「なぜ今強行する必要があるのか」と実施延期を強く要求し、参考人として出席した専門家の発言も慎重論一色となった。さらに与党内でも、担当閣僚の国土交通相が所属する公明党の代表が世論の反発への懸念から慎重論に転じて、政権の混乱ぶりも際立たせた。

 そうした中、「東京除外」を主導した菅氏は、「都知事が外出自粛を求めたから」と小池氏の対応を槍玉に挙げ、すぐ小池氏が反発するなど対立は泥沼化。東京の感染者数はなお過去最多を更新し続けているが、小池氏は菅氏への当て付けのように「外出自粛」を繰り返すだけ。首相候補にも名前が挙がる菅、小池両氏の「どっちもどっちの泥仕合は、政治危機の象徴」(自民長老)との声も出始めている【政治ジャーナリスト?泉 宏/「地方行政」8月3日号より】。

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